産後太りを気にして出産後にすぐダイエットを試みる方がいますが、ダイエットをすることはとても危険な行為です。産後脱毛症の重大な原因になります。
産後の食生活はとても大切で、出産のための体力の回復と授乳のためにと、2つの大きな目的もありますので、栄養バランスを考えてしっかりと栄養価の高いものを食べる必要があります。
ほとんどの人はダイエットは体重を減らすことと考えているようで、いきなり食事を抜いて体重を減らそうとします。
これは健康を損ねることになり、母乳のでも悪くなり産後の健康回復が出来なくなります。
産後は特に体力の回復のために必須ミネラルや必須脂肪酸、イソ不ラボンやタウリンなどを必ず摂らなければなりません。
必須微量ミネラルの亜鉛、セレン、銅は、女性の生殖生理作用において重要な働きをしています。
食生活の乱れや無理なダイエットをすると、一層の亜鉛不足となり、生理不順を引き起こすのです。
必須ミネラルの不足は、女性ホルモンのバランスの乱れ、生理痛・生理不順が生じやすくなるとの報告があります。
特に、亜鉛が不足すると、脳下垂体で作られる性ホルモンの分泌量が低下し、卵巣の成長不良を生じます。
女性ホルモンは、子宮内膜を作り保つ働きをしますが、亜鉛が不足すると女性ホルモンの分泌量が減少し、子宮内膜は早くはがれ落ちて出血を起こし、生理不順になるといいます。

セレンが不足すると、不妊症、月経周期の乱れ、胎盤の分泌閉止、流産を引き起こし、銅欠乏では、貧血、低体温を生じることが報告されています。
また、無理なダイエットをすると、女性ホルモンのもとになるコレステロールの摂取量が減り、女性ホルモンの分泌が低下し、月経が止まったり、月経周期が長くなったりします。
つまり、女性のカラダにとって重要な、亜鉛・セレンなどの必須ミネラルをしっかり摂取することが、生理を正常に保つポイントとなります。

約100種類ものミネラルの中で、生命維持に欠かせないミネラルを必須ミネラルといい、16種類あります。体内では合成できないので、食事から摂らなければならないミネラルを必須ミネラルといいます。
必須ミネラルも2つに分類されます
16種類の必須ミネラルは、1日に必要とされる摂取量により、大きく2つに分類されます。
1、主要ミネラル
身体が正しく機能するために、1日に必要とされる摂取量が100mg以上のミネラルです。
カルシウム(Ca)、リン(P)、カリウム(K)、硫黄(S)、塩素(Cl)、ナトリウム(Na)、マグネシウム(Mg) の計7種類です。
2、微量ミネラル
身体が正しく機能するために、1日に必要とされる摂取量が100mg未満のミネラルです。
亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、セレン(Se)、鉄(Fe)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、モリブデン(Mo)、ヨウ素(I) の計9種類です。
必須ミネラル 主な効果・働き
基準摂取量が定められているミネラル 主要ミネラル 硫黄(S) 骨・軟骨・皮膚・髪の毛・爪などを作る
塩素(Cl) 胃液中の胃酸に塩酸として含まれている
ナトリウム(Na) 血液・体液の浸透圧を調整する
カリウム(K) 血圧の上昇を抑制し、利尿作用がある
マグネシウム(Mg) 骨や歯を強くし、酵素の働きを助ける
カルシウム(Ca) 骨・歯を作り、エネルギー代謝を行う
リン(P) カルシウムと共に骨・歯の成分であり、代謝を助ける
微量ミネラル 鉄(Fe) 赤血球のヘモグロビンに多く含まれている
亜鉛(Zn) 生殖機能を高め、ホルモン合成を活性化させる
銅(Cu) ヘモグロビン生成を助け、骨格に多く含まれる
マンガン(Mn) 骨や関節を作り、丈夫にする役割がある
ヨウ素(I) 甲状腺ホルモンを構成し、代謝を高める
セレン(Se) 抗酸化力が高く、老化を防ぐ働きがある
モリブデン(Mo) 肝臓や腎臓において、老廃物を分解する
クロム(Cr) 糖の代謝を高め、糖尿病に効果がある
フッ素(F) 虫歯予防や歯・骨を強くする働きがある

ミネラルは、生命活動の維持に不可欠な微量栄養素ですが、中には健康障害を引き起こす有害なミネラルもあります。
主な有害ミネラル
鉛(Pb)・ヒ素(As)・水銀(Hg)・カドミウム(Cd)・アルミニウム(Al)・ベリリウム(Be)などがあり、多量に蓄積すると、代謝機能や生理機能を損なわせるなどの健康障害を引き起こすとされています。